【寺・神社】普門寺

奥州三十三観音二十九番礼所。
杉の巨木の参道を昇っていくと、曹洞宗の古刹海岸山普門寺があります。
静寂な佇まいを見せる庭の奥には「三重塔」があり、各層とも軒の意匠に工夫が凝らされていて、気仙大工の独特な技を見ることができます。
また震災前から存在していたものだけでなく、長野県長野市の善光寺が制作した「親子地蔵」や、全国の人々が制作した「五百羅漢」、ギネス記録にも認定された「ねがい桜」など、震災後に新しく作られたものもあります。
三重塔は県指定有形文化財、境内のサルスベリは県内最大木で県指定天然記念物となっています。

【三重の塔】
1591年、1867年に発生した火災では書物などが焼失したものの、三重の塔は被害を免れたといいます。
現在の三重の塔は1809年に建築されたもので、12.5mの高さを誇ります。
各層軒が異なる繊細優美な意匠で統一され、陸前高田が発祥の地といわれる名工の気仙大工の技を見ることができます。
三重の塔は文化的・資料的な価値を認められ、1975年に岩手県指定有形文化財に指定されました。


 

【親子地蔵・見守り地蔵】
親子地蔵は、震災の犠牲者の鎮魂を祈り、高田松原の倒木を使って長く残るものをという想いで制作された地蔵様です。
長野県長野市の善光寺が制作し、母地蔵と子ども地蔵が普門寺に、父地蔵が長野市の善光寺に安置されています。
夏には「地蔵盆」が開かれ、善光寺の大人地蔵が陸前高田に里帰りします。

 

【五百羅漢】
杉並木の参道を抜けると、表情豊かな500体の羅漢像を見ることができます。
2013年に発足した陸前高田「未来への記憶」プロジェクトが中心となり、震災の犠牲者の供養と、石を打つことで悲しみやトラウマを癒す目的で制作された羅漢像は、2013年から毎年8月に制作会が開かれ500体制作されました。
制作会には全国から参加者が集まり、1人1人が各々の想いを込めて羅漢像を制作。笑顔のものや、悲しげな顔をしているもの、祈りをささげているものなど、表情豊かな羅漢像からは人々の想いを感じることができます。 

【ねがい桜】
東日本大震災で犠牲になった御霊を祀るために作成されたつるし飾りが「ねがい桜」です。
商工会の女性部が中心となり、二度と散ることのない布地の桜に犠牲者への祈り・思いの言葉を記した紙を入れ、東日本大震災で亡くなった方々と行方不明の方々と同じ18,430個を作成されました。
2019年4月には、ねがい桜の「つるし飾り数」がギネス世界記録に認定され、現在は普門寺の本堂に設置されています。
現在、ギネス記録は更新されてしまいましたが、二度と散ることなく、色鮮やかで、様々な人の想いが込められたねがい桜は必見です。(高さ:約4.5m 重量:150kg)

 

【サルスベリ】
普門寺のサルスベリは岩手県の天然記念物に指定されており、延宝年間(1680年頃)普門寺第八世薹翁寒昜和尚が中国の天童山から持ち帰って植え付けたものと伝えられています。
樹高6メートル、樹齢はおよそ300年以上といわれており、毎年8月頃に紅色の綺麗な紅色の花を咲かせて見ごろを迎えます。