お菓子工房 彩菓
●まちのお菓子屋さんの復活
アバッセ高田の西側にある公園から南側の小道を入ると、レンガ調の建物が見えてくる。オーナーの黄川田さんは、地域の方に慣れ親しまれた清風堂洋菓子店に27年間も勤めたベテランのパティシエ。震災でお店が流されしまい、やむなく陸前高田を離れ、8年半の間横浜のお店で腕を振るった後にUターンし、2019年にご自身のお店をオープンさせた。
ショーケースには清風堂時代から人気の”シャトー”をはじめ、色とりどりのケーキがズラッと並んでいる。記憶と身体に染み込んだ経験を頼りにレシピを書き起こし、当時の味を再現しているそうだ。彩菓をオープンさせてからというもの、昔から常連のお客様が馴染みの味を求めて来店されることも多いのだとか。
●ノスタルジーと遊び心
ケーキの他に焼き菓子も沢山の種類があり、その1つ1つに黄川田さんの思いが隠れている。豊富に取り揃えている。例えば、レモンケーキや松原のサブレといった「こういうの子どもの頃よく食べたよね」と昔懐かしい気持ちにさせてくれるものもあれば、チーズやスパイスを効かせた一口サイズのおつまみ的なクッキーなどもあり、子どもから大人まで幅広く楽しめる工夫が伺える。
●地域の食材へのこだわり
黄川田さんに使用している食材を尋ねると、市内産のイチゴやりんごなどにはじまり、野田の塩、気仙沼の平飼い卵、、、と次々に紹介され、納得のいくものを求めて遠方の生産者に会いにいくという徹底的ぶりには圧倒される。
お店を訪れた時は、そのこだわりポイントをぜひ聞いてみて欲しい。