広田湾産牡蠣 ~水揚げから出荷まで~
広田湾産牡蠣とは?
陸前高田市の牡蠣養殖が盛んな広田湾は、北からの親潮と南からの黒潮が出会う海域にあり、季節ごとの水温変化が穏やかで、牡蠣が育ちやすい環境が整っています。
さらに、湾の奥から流れ込む気仙川が運ぶミネラルや栄養が海の中で循環し、牡蠣の“ごはん”となるプランクトンが育ちやすいのも大きな特徴です。
広田湾で育った牡蠣は、身がふっくらとしていて食べごたえがあり、噛むほどに旨みと甘みが広がります。
殻付きで焼いても、蒸しても、もちろん生でも美味しい、冬〜春のごちそうです。
水揚げ時期はおおむね11月〜5月頃。寒い時期にぐっと旨みがのり、春先まで長く楽しめます。

陸前高田 牡蠣漁師の一日
(水揚げ時期の工程)
陸前高田の冬の旬のひとつ、広田湾産牡蠣。
今回は、陸前高田市広田町の牡蠣漁師さんの作業の流れをもとに、11月〜5月頃に行われる水揚げ〜出荷までの一部をご紹介します。
※作業工程は天候・海況・生産者のやり方により異なる場合があります。

まだ辺りが暗い中、港を出て、牡蠣を育てている養殖施設へ向かいます。
広田湾の牡蠣は、ホタテの殻などに付着させた牡蠣の幼生を“種”として育てていきます。
1枚の殻に付く数が多すぎると牡蠣同士で栄養の取り合いになってしまうため、状態を見ながら育ちやすい密度を保つことが、美味しさにつながる大事なポイントです。

作業では、海中に吊るしたロープ(垂下綱)を機械で引き上げ、殻付き牡蠣を回収していきます。
海藻や貝類などの付着物も一緒についてくるため、水揚げした時点の重さがそのまま商品量になるわけではありません。
ここから先の手間が、広田湾産牡蠣を届けるための大切な工程になります。
2.作業小屋で付着物の除去


水揚げした牡蠣は作業小屋へ運び、殻の表面に付いた海藻や貝殻などを落としていきます。
まずはナタを使って、かたまりになっている牡蠣を一つずつに分け、同時に大きな付着物を取り除きます。
その後、電動のクリーナー等で付着物を削り、さらに綺麗にしていきます。

見た目を整えるだけでなく、衛生面にもつながる工程。
ひとつひとつ状態が違う牡蠣を見ながら進める、根気のいる作業です。
3.サイズ分け


次に、牡蠣をサイズごとに分けていきます。
サイズによって梱包する箱が変わってくるので、「大・中・小」の3つの規格に分けていきます。
4.洗浄〜滅菌(広田湾漁業協同組合)


サイズ分けが終わった牡蠣は、広田湾漁業協同組合へ運びます。
まずは洗浄を行い、殻の細かな汚れも丁寧に取り除きます。その後、専用の施設で48時間滅菌処理が行われます。
生で食べられる牡蠣を安全に届けるために欠かせない工程で、海の恵みを“安心”と一緒に届けるための大切なステップです。
5.出荷準備〜梱包、そして市場へ


滅菌を終えた牡蠣は、サイズごとに箱詰めされ出荷されます。
出荷先は主に豊洲市場など。そこから首都圏の飲食店で提供され、広田湾産牡蠣が消費者のもとへ届きます。
海で育てる時間だけでなく、手間のかかる作業工程が積み重なってようやく商品として完成します。
だからこそ、広田湾産牡蠣の美味しさが、より特別に感じられます。
広田湾産牡蠣を味わうなら
広田湾産牡蠣は、海の環境の良さに加えて、漁師さんの手間暇があってこそ味わえる、陸前高田の冬のごちそうです。
殻付きで香ばしく焼いても、蒸してふっくら仕上げても、もちろん生でも。食べ方で表情が変わるのも牡蠣の魅力です。
市内で牡蠣が食べられるお店、また道の駅で購入できる牡蠣を使用したお土産については、下記の記事でご紹介しています。ぜひご覧ください。
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いかがでしたでしょうか?
陸前高田にお越しの際は、ぜひ一度、広田湾産牡蠣の美味しさを味わってみてくださいね。










